雪国生まれで寒さには慣れていますが、今年の冬は久しぶりに足が軽い霜焼けになってしまった大口です。寒さ対策の大切さを痛感しています。 

大きく遅れている日本の住宅の断熱性能 

この冬は大寒波の影響が大きいですが、皆さんはどのようにお過ごしでしょうか。我が家は転勤族で、いろいろな家屋に住みましたが現在の住まいはとても寒いです。 

そういえば、以前、テレビで海外の寒冷地に比べても日本の家屋はとても寒いと言っていたのを聞いたことがあります。日本の家屋が寒いのは単なる体感や印象ではなく、データとしても裏付けられている事実だそうです。
なんと、日本の住宅の断熱性能は、先進国の中で最低レベルにあると言われています。これを示すのが、外皮平均熱貫流率(UA値)と言われるもので、室内と外気の熱の出入りのしやすさを示しています。値が小さいほど熱が出入りしにくく、断熱性能が高いのがこのUA値です。
この数値を比べる際、気候区分という分け方がありその区分の中で基準が決められています。海外でも同様に気候区分により基準があります。
そんなUA値を同じ気候区分で比べても、日本の基準値は0.87(W/m²・K)ですが、韓国は0.54、スペインは0.51、米国カリフォルニア州は0.42と、海外では厳しい基準を設けています。 

これらの国では新築時にUA値から見る断熱性能を満たすことが義務付けられている国がほとんどであるのに対し、日本はこれまで義務化されていませんでした。しかし、2025年4月にようやく義務化されますのでこれからの住宅は必要以上のエネルギー消費をしない断熱性能の高い住宅が増えていくかもしれません。 

リフォームだけでない断熱のヒント 

これから家を建てる方は、断熱性能をよく調べてから建てることが望ましいですが、すでにマイホームを持っている場合や賃貸にお住まいの場合、大掛かりなリフォームをしなくてもできる断熱対策もあります。

まずは、二重窓(内窓)の設置です。二重窓は既存の窓と新しい窓の間に空気層を作り出し、断熱性能を大幅に向上させます。空気層を作ることにより、夏冬問わず室温を安定させ、冷暖房効率を高めることができます。さらに、結露の発生も抑えられるため、カビや腐食のリスクも軽減できます。専門家に依頼するものではありますが比較的簡単にできます。自治体によっては補助金制度を設けていることもありますので、お住まいの自治体のホームページなどを調べてみると良いですね。
もっと手軽にできる方法としては、窓に断熱シートを貼るだけでも、ある程度の断熱効果が得られますし、厚手のカーテンや断熱効果のあるカーテンを使用するのも効果的です。カーテンと併用したいのが、窓の下に置くだけの冷気ブロックパネル。私も使用していますが、窓際からの冷気をかなり防いでくれます。価格もリーズナブルで素材も軽く、折り畳めるので使わないシーズンも邪魔になりません。 

冷たい空気は下に溜まりやすいので、床からの冷気対策も忘れてはいけません。厚手のじゅうたんやカーペットを敷くだけでも、足元の寒さを軽減できます。さらに効果を高めたい場合は、じゅうたんと畳の間にコルクボードや断熱シートを敷くのもおすすめです。

他に、脱衣場には小さなファンヒーターを置くのもおすすめです。我が家にもありますが、人感センサー付きですと、消し忘れもなく安心です。廊下などは必要なところだけピンポイントでホットカーペットを敷くという方法もあります。こちらもタイマー付きなら消し忘れも防止できます。 

冷たい空気は床に、暖かい空気は天井付近に溜まりやすいため、扇風機やサーキュレーターを使って空気を循環させると、部屋全体の温度が均一になり暖房効率が上がります。 

足元を冷やさない対策としては、レッグウォーマーやルームブーツもおすすめです。足首を中心にふくらはぎまですっぽり温めてくれるので、体全体が温まります。足元が暖かくなると体全体が温まって体も軽くなります。 

 

 

 

体を冷やさないことが大切 

前述の通り、日本の家屋の断熱性能は低いことがわかっています。そうした寒い家屋に暮らすことは単なる不快感の問題ではなく、深刻な健康リスクをもたらす可能性もあります。特に注意すべきなのが、ヒートショック。暖かい部屋から寒い部屋への急激な温度変化によって引き起こされる、血圧の急激な変動を指します。厚生労働省の統計によると、入浴中の事故による死亡者数は年々増えており、溺死者数の9割は65歳以上の高齢者というデータもあります。その中でヒートショックによる死亡者数ははっきりしていないとのことですが、断熱性能が低い日本家屋では最も気をつけたいものでもあります。
他にも、血流が悪くなることで起きる健康被害もありますので、いかに普段の生活の中で体を冷やさないことが大事かと思います。 

毎日できる対策としては、ヒートショック対策をしっかりした上で入浴して体を温める、温かい飲み物を飲むなども効果的。食事も体を冷やすような食材を避け、根菜など体を温めてくれる食材を使うのがおすすめです。 

そして冷え対策に重要なのは衣類。室内でも羽織ものを用意すると日々の気温変化に対応しやすくなります。静電気を起こしにくいフリースなら乾燥しがちな冬でも快適に暖かく過ごせます。

私のイチオシは「IZUMMフリース プレミアム厚地 両面起毛 レディース ロングカーディガン」首元スッキリのVネックラインがおしゃれで機能的。下に何か着ても羽織りやすく、丈も長めだからお尻まですっぽり暖かいのです。
袖口はしっかり手首まで暖かいのですが、スリット入りカフス仕様なので折り返ししやすく家事をする際も快適。
同じフリース素材でラウンド襟のある「IZUMMフリース プレミアム厚地 両面起毛 ルームジャケット メンズ・レディース兼用」もおすすめです。ちょっとした羽織ものを用意するだけでも体の冷えを防いで快適に暮らせる一助になります。暖房だけに頼らず、自分の体を温める工夫はとても大切です。皆さんもぜひ冷えから自分の体を守ってくださいね。 

 

日本の家屋の断熱性能の低さには驚きました。住まいはすぐに変えることができないと思いますが、生活の中で工夫することはできます。転勤族でさまざまな住まいを経験した私は、もしかすると他の方よりその工夫が日常的にできているのかもしれません。これからも日々の生活の中で小さな工夫をして体を冷やさないようにしたいとあらためて思いました。足元を暖かくして霜焼けも早く治したいと思います。  

 

< 参考サイト >

厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suii06/deth18.html 

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/furyo10/01.html 

https://www.nippon.com/ja/japan-data/h00623/

 

< 前回記事 >

春の寒暖差はなぜ起こる?パジャマを替えて寒暖差をうまく乗り切ろう