花冷えのもと、サクラ満開。こんな春もあるのです。二十四節気は、清明(せいめい4月4日)を迎えます。七十二候は、玄鳥至(つばめきたる4月4日~8日頃)、鴻雁北(こうがんかえる4月9日~14日頃)、虹始見(にじはじめてあらわる4月15日~19日頃)、と続きます。万物が清らかで明るく生き生きしているという意味の「清浄明潔」からの清明で、清々しく潔く春の雨の後を表すような、響きです。そんな季節の中、東南アジアで越冬したツバメ(玄鳥)が日本に飛来し、反対に、日本で越冬したガン(雁)は北へ飛び立ちます。その鳥たちの舞台となる大空は大気の湿度が少しずつ高くなり、虹が見られることが多くなります。夏に向かい潤ってゆく空気の中、その変化に沿う生き物たちの生態を見ることができる候となります。
そんな心地よいこの頃、生活環境が変わる時期でもあるので、気持ちもすっきりと過ごしたいものです。ただ、寒暖差が激しかったり、花粉症の症状が重症化する時期であったり、強風で乾燥がひどくなったり、と、体調を悪くする原因となることが多いのも事実です。この時期に注意が必要なことに、乾燥、花粉、強風、寒暖差、黄砂、と、頭文字が「K」で始まる5項目があり、「春の5K」と言われます。更に、気圧の急激で大きな変化の影響が合わさることで、頭痛、食欲不振、倦怠感など、体調を崩すこともありますので、天気予報を利用して、体に無理をさせないように気をつけて、いつものように、きちんと食べて、しっかり寝て、抵抗力を保つように。
この時期旬の食材には、芽吹き野菜のアスパラガス、少し早めのサヤインゲン、新ショウガなどが楽しめます。力のある春野菜は簡単な調理方法で瑞々しい春を味わいましょう。アスパラガスは白と青両方を盛り付けて目にも鮮やかに。新ショウガは薄く切って酢に漬けてガリを作ったり、なんでも万能、すりおろして、さっぱりジンジャーエールのもと、ジンジャーシロップを作ったり、保存食作りもこの季節の楽しみの一つです。私はこの季節の定番、細切りショウガたっぷりの、ショウガ炊き込みご飯が好きです。出汁は薄目でショウガの香りを際立たせます。炊きあがりの香りが最高です。いずれも旬のパクチーを盛り付けて、ちょっとエスニック風に仕上げても美味しくいただけます。ぜひ、お試しあれ。
まさに春爛漫、この週末には東京都内より少し遅れて、私の住む地域でもサクラが満開となるでしょう。若い頃にはサクラが咲き、それを見られる幸福をあまり感じなかったものです。いつ頃からでしょう。毎年のサクラの開花を待ち焦がれ、サクラのニュースに心躍り、近所のサクラの開花状況を日ごと気にするようになり、「あー、今年も無事に桜を見られました…」、なんて、言うようになったのは。たぶん、ここ最近のことでしょう。自然の摂理と厳しさを、本当に、心から思う気持ちがどんどん増してくるのも、齢重ねる証拠でしょうか。
そんな、春を謳歌する曲は、まさに、「春の声」です。
この「春の声」(ドイツ語: Frühlingsstimmen)は、ワルツ王として知られている、ヨハン・シュトラウス2世(Johann Strauss II 1825~1899オーストリア)が、1882年に作曲したウィンナ・ワルツです。この曲は、春の訪れを祝うような明るく軽快な旋律が特徴で、特にコロラトゥーラ・ソプラノの歌声が際立つ作品として知られています。
シュトラウスはウィンナ・ワルツの作曲家として世に名を馳せ、ウィーンの社交界や舞踏会で大変な人気を博し、彼自身もウィーンの文化を象徴する存在となりました。他にも、「美しく青きドナウ」や「皇帝円舞曲」などが有名です。初演は1882年3月1日にウィーンのアン・デア・ウィーン劇場で行われ、大成功を収めたと言われています。
日本でもクラシック音楽の定番として親しまれており、テレビ番組や映画のテーマ音楽としても使用されています。きっと、皆さんお聴きになったことがあるはずです。
歌詞は、19世紀のドイツ出身の劇作家、作詞家、作曲家でもある、リヒャルト・ジュネ(Richard Genée)によるもので、春の歓びや自然の美しさを昼はヒバリに、夜はナイチンゲールに聴き、春への憧れを謳いあげていています。
この曲も、実は最近演奏したばかりです。歌手の方が可憐でいて華やか、軽やかで、とても気持ちよく春に触れられました。そして思いました。「やっぱり、歌はズルい!」と言うこと。やはり身体が楽器で、歌詞があり、まさに歌いかけてくるわけですから…。直接、心をつかまれるようで、気持ちよく、素直に諭されてしまいます。そして、ドレスも楽しみです。その日のドレスはミルク色のシフォンで、色とりどりの花が刺繡されたもので、春そのものが登場したよう。瞬間、お客様のため息が聞こえたような気がしました。
そして、その演奏会の日、春を謳いあげる美しい姿を後ろから見つつ、楽器を弾きながら、思いました。ああ、今日、今年の私の春は始まった!と。
びっくりの寒さで、春一休みの卯月始まりですが、心に春を取り戻すべく、皆様、是非、聴いてみてくださいませ。
今日も、眠りにつくとき、目覚めるとき、素敵な音が聴こえますように。みなさま、ぐっすりお休みください
染谷雅子
参照
春の声 日本語歌詞 Wikipedia参照
ヒバリは青空高く舞い上がり、
凍てついていた風もこんなに暖かくなった。
その喜びあふれる優しい吐息は活気づいて
そしてくちづけるの 野に、牧場に。
春は 美しい装いで目覚め、
ああ、ああ、ああ
すべてつらいことは終わるでしょう、
あらゆる悩みも 遠くへ去ってゆくわ!
痛みはやわらいで、陽気な姿で、
幸せを信じる気持ちがかえってくる。
太陽の光が差し込んできて、
ああ、みんなほほえみ、ああ、目覚めるの!
太陽の光が差し込んできて、
ああ、みんなほほえみ、ああ、目覚めるの!
またあふれ出すの 歌の泉が、
今までずっと黙っていたのだけれど。
響きが聞こえてくる あそこからまた清らかで明るく
甘い声が枝の間から!
ああ
ナイチンゲールがそっと
もう初めての歌を聴かせてくれるのね
この女王様をじゃましないように
黙っていてね 他の歌い手さんたちはみんな!
ああ
すぐに最高に響くでしょう 彼女の甘い歌は
ああ すぐに ああ すぐに!
ああ ああ ああ ああ!
おおナイチンゲールの歌 甘い調べ ああ そうよ!
愛に燃え立ち ああ ああ ああ
歌は鳴り響く ああ そしてその響きは
甘く心地よく でも悲しげにも聴こえる
ああ ああ 心を揺り動かすの 甘い夢の中で
ああ ああ ああ ああ とても優しく!
あこがれと願いは
ああ ああ ああ この胸に抱かれて
ああ この歌がせつなく呼びかけるときには
星たちのように遠くから瞬きながら
ああ ああ 月の光のような魔法のきらめきで
ああ ああ ああ 谷間を渡っていく!
夜が消えるとすぐに、
ヒバリの歌声がさわやかに目覚める、
ああ
光はヒバリに告げるの、
暗闇は消え去ると!
ああ!
ああ 春の声はなつかしく響く、
ああ そうよ ああ そうよ おお すてきな響き
ああ ああ ああ ああ ああ そうよ!
ガラス作家・アロマセラピスト 染谷雅子
ギャラリーはなぶさ https://www.hanabusanipponya.com
作品名:「 ステンドグラス さくらサンキャッチャー 」