梅雨も明け、夏到来! 二十四節気は大暑(たいしょ7月22日)を迎えています。七十二候は、桐始結花(きりはじめて花をむすぶ7月22~27日頃)、土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし7月28日~8月1日頃)、大雨時行(たいうときどきふる8月2日~6日頃)と続きます。4月から5月かけて花開いた桐が実を結ぶ頃となり、湿度が高く土は潤うが、熱気が漂い蒸し暑い日が続き、時々夕立のような激しい雨が降る真夏の候。

“激しい雨 暑さの中でも、大地の熱に植物は確かに育まれ、大気は湿度に満ち熱風を送り、上昇気流は時に激しい雨を降らせ、またそれは、新しい生命の動きを促す、という、真夏の自然循環を表しています。

“トマトときゅうり”

夏の暑さは、その温度や湿度により体に熱が溜まり、冷房や冷たいものの飲食で体が冷えることで、自律神経の均衡が悪くなり体調をくずす「夏ばて」を引き起こします。きちんと食事をとることが重要です。体の熱を下げ、水分を調整するためには、夏野菜がお勧めです。キュウリやトマト、ピーマンやナス、いまや一年中口にすることができますが、旬は夏。多くの夏野菜に水分の補給と、身体に滞る水分を排出するという作用があり、この時期いただくことが理にかなっているのです。

 

果物も水分補給に適しています。美味しいですよね、夏の果物。ブドウやモモ、ナシ、ライチ、ブルーベリーやメロンなど、水分補給のみならず、身体の調子を整えるビタミンやミネラルが摂取できます。食事とともに、また、おやつに果物を上手に取り入れてください。

“夏の果物の代表といえばスイカ”

夏の果物の代表といえば、スイカです。果実の90%は水分ですが、カリウム、ビタミンA、C、B1、B6、βカロテン、シトルリン、などが含まれていて、体内の水分排出作用、熱を逃がす働き、疲労回復作用、肌の健康を保つ作用、老廃物の排出や血流改善作用などがあるそうです。熱中症対策にもぴったりです。

 

スイカの匂いは夏休みの匂いです。今でもスイカを口に運ぶと、キラキラした夏休みの風景が蘇ります。プールの帰り道、髪の毛が汗でぴたりと張り付いたおでこも気にせず走り、家に転がり込み、おやつに食べたスイカの甘さとあの香り、しゃくっとした冷たさが歯に当たる心地よさ。そして、一落ち着きすると、疲れを思い出し、残るはお昼寝の夏休みの日々、そんな情景が蘇るのです。スイカの匂いの他にも、雨の匂い、土の匂い、花火の匂い、カブトムシの匂い、海の匂い、川遊びの横のキャンプの匂い、トウモロコシの匂い、など、ふっと、似た匂いで夏のことを思い出します。

“空と水”

実はそれもそのはず。まず、匂いの元になるニオイ分子には揮発性があり、温度が高くなれば揮発しやすくなり、匂いを感じやすくなります。また、空気中の水の分子に付いて拡散されるので、水蒸気量が多いと分散量が多くなります。さらに、お天気が良く、高温の日には上昇気流が発生するため、ニオイ分子も気流に乗って上に運ばれます。つまり、温度も湿度も高く、上昇気流が発生しやすい夏には、寒く乾燥している時期よりも、匂いを強く感じるということです。そして、記憶と結びつくのです。スイカの匂いは夏休みの匂い、のからくりです。

真夏のアロマセラピー

香りを敏感に感じられる夏、香りを楽しむには最適な季節ともいえるのです。蒸し暑く過ごしにくい時、お気に入りの精油を使って、お部屋で拡散したり、お風呂やフットバス、ハンドバスなどで、アロマセラピーをお楽しみください。真夏のアロマセラピーには、ペパーミントやスペアミント、レモン、ベルガモット、グレープフルーツ、バジル、ラベンダー、ローズマリー、ユーカリプタス、ティートゥリーなど、すっきりした元気の出る香りのもの、空気の清浄作用のある精油がお勧めです。ぜひお試しください。

“ラベンダーの香りで十分な睡眠を

夏ばて予防法のもう一つは、もちろん、十分な睡眠です。一日動いた身体をしっかり休めて、血流を整えてください。お勧めはラベンダーです。今夜もぐっすりお休みください。

 

染谷雅子

 

ガラス作家・アロマセラピスト 染谷雅子
ギャラリーはなぶさ https://www.hanabusanipponya.com
作品:ステンドグラス、アロマランプ

染谷雅子のガラス作品「ステンドグラス」”width=