すっかり春、と思って上衣を一つ脱いだ途端の雨。襟元を抑えながら春の青空を恋しく思う時です。でもそれは春の恵みの雨。穀物の種に潤いを与え、新しい命を芽生えさせる雨なのです。二十四節気は穀雨(こくう4月20日)を迎えます。そして、七十二候は葭始生(あしはじめてしょうず4月20日~24日)、霜止出苗(しもやみてなえいずる4月25日~29日)、牡丹華(ぼたんはなさく4月30日~5月5日)、と続きます。水辺には葭(あし)が目を出して水淵を彩り、稲苗がすくすくと育つ地にはもう霜が降りることもなく、牡丹の花は華麗にその蕾を開き始める、そんな植物の成長著しい候となります。

2023.04.17