急に夏の喧騒が遥か彼方に思えるような清やかな響き、二十四節気は白露(はくろ9月8日)を迎えます。あんなに楽しみにしていた真夏の目くるめく日々は、観測史上初という熱気の中で、溶けてしまったように想い出へと変わって行きました。七十二候は、草露白 (くさのつゆしろし9月8日~12日)、鶺鴒鳴(せきれいなく9月13日~17日)、玄鳥去(つばめさる9月18日~22日)と続きます。秋の気配が深くなり、夕方から夜にかけては空気が冷えて、小さな真珠の粒のような露が草木に宿り、朝陽に美しく輝きます。初秋の気配の中、尾をふりふり歩くセキレイの声が聞こえ、子育てを終えたツバメは南に飛び立ってゆくのです。そんな、秋への空気の変化の中、鳥たちの営みに季節の移ろいを感じる候となります。

2023.09.04