パジャマに着替えて…布ってすごい！

2023.10.23

いよいよ秋も晩秋と言われる頃、昼間の心地よい秋晴れの空気に気を許していると、夜には寒さを覚えるほど気温が下がります。二十四節気は冬直前、霜降(そうこう10月24日)を迎えます。七十二候は、霜始降(しもはじめてふる10月24日～28日)、孁時施(こさめときどきふる10月29日～11月2日)、楓蔦黄(もみじつたきばむ11月3日～7日)と続きます。冷え込みがさらに深くなり、枯れ葉の先には霜が降り、時に冷たい小雨でさらに寒さは増し、山々はカエデやツタで彩られ、まさに山装う。そんな、冬への道を進みながら、その大気と冷気により変化する植物の世界を表す候となります。昼夜の温度差が大きくなって、風邪をひきやすい時期に入ります。予防のため、温度調節ができる羽織るものを常に用意して、冷気が体に入り込まないようにしましょう。また、首、手首、足首の冷えは風邪へつながります。ウォーマーを上手に利用して、とにかく体を冷やさないように心がけましょう。

冬ごもりのため、身体はエネルギーを欲していますので、効率よく得られる食事が大切になります。実りの秋を迎え、熱量のある果物はビタミンやカリウムが豊富ですので積極的に摂取したい食材ですが、近年の果物は糖分がとても高くなっていますので、なるべく熱量を多く消費できる、朝食や昼食に取り入れるようにしましょう。そして、よく噛んで食事をすること。唾液を出すことは、脳への刺激となり、体全体の調整へとつながります。
美味しい物がたくさんのこの季節、くれぐれも食べすぎには注意しましょう。出かけに、帰り時間の気温が気になる時期になり、ストールやマフラーが手放せません。せっかく、この豊かな秋の一日を一緒に過ごすのですもの、今日の着ているものに合うのを…、あ、でも、新しいこのストールも使いたいなー、なんて、出際に鏡の前で使う時間も楽しい季節です。
素材も毛織や絹、木綿といろいろですが、一枚持っていると本当に心強いものです。腕や背中が寒いと体全体が寒くなります。あ、と思ったら「お願いね」と、ストール一枚羽織るだけでホッと安心。そして、洋装和装問わず、その日の装いのアクセントにもなり、スカーフ止めやブローチなども楽しめます。装いの秋にぴったり。

天然ベンガラ染め　カシミヤストール

布ってすごい！人間文明の偉大な発明。
考えてみれば、文明社会に生きている私たちは、生まれてすぐに布にくるまれ、その瞬間から一時も離れず身体のどこかに布は必ず接触して、私たちを守ってくれています。そして、育み、さらに、装わせてくれているのです。衣食住、「衣」はもちろん、現代社会では「食」にも「住」にも欠かせない布は、包み、覆い、被せられ、私たちの生活を豊かにしてきたのです。

冬でも着られる５重ガーゼ “ミルゼ®”　

何千年もの歴史のある布、その種類は、アサから麻、ワタから綿、羊など動物の毛から織られる毛、蚕から絹、大きくこの4種。46億年と言われる地球の歴史にヒトは700万年、まして、文明生活を考えればざっくりと5000年。そして、その地球の歴史のほんの上澄みに過ぎないこの100年で、文明は瞬く文化を遂げ、現代には化学繊維が加わります。

そして、今、現代人は次の世代への「布」を作り出しています。人の肌や臓器に替わるもの、海中で使えるもの、また、空へ宇宙へと…。文明の希望と欲望と好奇心に沿って、新しい世界の「布」が生まれてゆきます。それらが「布」というかどうかはわかりませんが、包み、覆い、被せる、そして、これからも私たちは、区切られ、守られ、育まれ、飾られてゆくのでしょう。布って、すごい！

ダウンケットヘヴンリーダウン日本製　オーサム“Awesome”ハンディダウンケット

朝晩の冷え込みにピッタリ。おうちの中ではぜひダウンをご活用ください

古代文明人が葉っぱの繊維を見つけ、それを繋げて撚って糸をつくり、縦横に並べて、織り合わせて、柄の概念を持ち、染色も学び、立体化させる技術を手に入れ、作り上げ、紡いできた布の歴史、守るべき文明と文化。今の私たちの豊穣な時代にある「布」を見たらどう思うのだろう？いやいや、逆に、宇宙に住む世代の未来の「布」を私が見たらどう思うのだろう？織り機もの想う秋のなせる業か、手元のマフラー一つから、十数億年を想う壮大な妄想が膨らみました。今日のマフラー、ありがとう。冬はすぐそこ、マフラーやストールの活躍はいよいよ本番となります。これからもよろしく、「布」。
そんな、豊かな、幸せな布に着替え、包まれて、そろそろ眠りにつきたいと思います。