冬がやってきます。二十四節気は立冬(りっとう11月8日)を迎えます。七十二候は、山茶始開(つばきはじめてひらく11月8日~12日) 地始凍(ちはじめてこおる11月13日~17日) 金盞香(きんせんかさく11月18日~21日)と、続きます。冬の入り口にツバキ(サザンカの意)が咲き始めるも、その足元は、温度が下がり地中の水分が凍ることで、地面は白く幻想的な景色となり、地中の栄養を貯めたキンセンカ(スイセンの意)はあちらこちらで群生する、そんな晩秋から初冬の森の様子を表した候となります。 ぐっと気温が下がるこの時期ですが、最近は暖かい冬が多く、昼間は温度が高くなり一日の寒暖差が大きくなっています。季節の変わり目のお約束ですが、温度調節ができる環境を作ることが大事です。特に夕方から夜にかけてと、睡眠中、朝方の温度の低下は気づかないうちに身体を冷やしますので、着る物や寝巻、夜具の調整に気を配るようにしましょう。体が冷えると心も冷えてしまい、つい内向的な気持ちになりがちです。暮れにかけて慌ただしくなる頃、心身の疲れをため込むことのないよう、体を休め、充分な睡眠を取るよう心がけます。
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秋と冬のはざま、先日も晩秋の雷の音で目を覚ましました。お転婆な春雷と違い、そろりと冬を連れてくるような朝の雷鳴。季節は動き、11月、霜月(しもつき)となりました。霜の降る月の意で、旧暦の11月として名づけられたものです。11月はほかにも異称が多く、冬の始まりらしく雪待月(ゆきまちづき)や神楽月(かぐらづき)、そして、神帰月(かみかえりづき)とも言われます。神帰り月ということは、神がいなかった時期がある訳で、そう、10月は神無月(かんなづき)です。この月はすべての神様が出雲へ集まるので神がいない月の意味となり、出雲地方では神在月(かみありづき)と呼ばれます。素敵な日本の言葉。 この季節、収穫の感謝と次の豊穣への願い、そして、迎える冬の護りなどを願い乞い、様々な祭りが執り行われます。
先月のことになりますが、三重県の伊賀上野天神祭りに出向きました。2002年に国重要無形民俗文化財に指定され、2016年にはユネスコ無形文化遺産に登録されている祭りで、菅原道真公を主祭神とする上野天神宮の秋祭りです。関東近郊や東北地方の有名なお祭りを見たことはありましたが、上方のお祭りを実際見るのは初めてで、その壮大さと荘厳さは想像以上、あらためて、日本文化と信仰の奥深さに感動しました。 祭りの主役となる、江戸時代から使われている町会ごとの華やかな楼車(ろうしゃ、山車)は上層にお囃子席があり、それぞれ趣向を凝らした美しい絵や刺繍が施された、胴幕飾りの下層からなっていて、たくさんの可愛いお稚児さんに守られながら、街中を練り歩きます。何百年も続いているという事実がさらに感動を呼びます。近所の奥様方のお話を聴くと、それぞれの町会の山車は町会員みんなが誇りをもって守り、それぞれ立派な山車社に収められ、本体はもちろん、刺繍や金具の修理を毎年繰り返し維持しているとのこと。その日々が江戸時代から400年以上続いているわけです。 このお祭りの特徴として、鬼行列と山車という、囃されるものと囃すものが同存するということ。まず鬼行列が通り、それを退治する侍、そして、山車の数々、と続く長い練り歩きです。とても不思議な、そして、なるほど人の世だな、と納得するお祭りでした。
鬼とは、飢饉や自然災害など、人々の生活を脅かすものの姿。それらを、神の恩恵により避けられたり、遠ざけたりするために、鬼の世界と背中合わせの、現世の人々の感謝と切なる願いの具現が、祭りへと進化して行くのです。笛、太鼓のお囃子と木製車輪の軋み音の中、次々と目の前を過ぎる山車を見送りながら、その歴史と人々の願いの深さに気持ちを馳せた晩秋の伊賀上野でした。
そして、平和や幸福を願う気持ちはみな同じはず。何百年も前の人と同じように、心からの願いを捧げました。 あの、心地良いお囃子を耳に思い出しながら、そろそろ眠りにつきたいと思います。
皆様、今夜もぐっすりお休みください。
染谷雅子
ガラス作家・アロマセラピスト 染谷雅子
ギャラリーはなぶさ https://www.hanabusanipponya.com
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