冬がやってきます。あまりにそろりとやって来たので、急に忍び込んできた冬の冷気に驚く夜半です。気付いたら、すっかり冬の空気。二十四節気は大雪(たいせつ12月7日)を迎えようとしています。七十二候は、閉塞成冬(そらさむくふゆとなる12月7日~11日頃)、熊蟄穴(くまあなにこもる12月12日~16日頃)、鱖魚群(さけのうおむらがる12月17日~21日頃)と続きます。すでに山の峰々は雪に覆われる頃となり、冬の気で閉ざされた大気は本格的な冬の到来を知らせ、熊は巣穴にこもり冬眠に入り、鮭は群れとなり川を遡る。そんな、冬の初めの大気とそれに伴う野生の生き物たちの活動を表す候となります。冬の森 冬色を増した大気は北風に晒され、ますます空気は乾燥してきます。風邪のウイルスは、粘膜を含め、まず皮膚から侵入します。肌が乾燥していると、免疫力が下がり、ウイルスの侵入を容易に許してしまいます。免疫力を維持するために、お風呂上りには必ずオイルやローションを使ったお手入れや、保湿力のあるリップクリームやハンドクリームなど携帯して、保湿を習慣にしましょう。胃腸の健康は免疫力を保つことにつながりますので、暴飲暴食を避け、なるべく温かい物を摂るようにして、胃腸に負担をかけないようにします。 クリーム 街はすっかりクリスマス気分。飛び越えて、お正月。様々な色取りの紙に包まれた贈り物の箱たちは行き先を楽しみに待ち構えているかのよう、大きなクリスマスツリーはガラスボールに受けた光がキラキラと誇らしげに輝き、その側には豪華な三段重おせちの紹介が並ぶ。愛すべき日本の12月がやってきました。
外の風は冷たいのに、なぜかふんわりと気持ちが暖かくなるこの季節が好きです。この冷たいのに温かい、とか、きれいなのに悲しい、とか、嬉しいのに切ない、といったような、相反する感情が混在する空気感がワクワクするのです。 雪だるま 季節や環境の変化、人との集まり、家族の時間、会議やイベント…、その場を取り巻く温度、緊張度合い、集まる人の関連性などで空間の持つ性質は変わります。見えるもの、聞こえる物、触れる物、香り、食するもの、すべてがその場を満たす空気感、いわゆる「雰囲気」を作ります。そして同時にこの「雰囲気」は空間側から見た対象物への印象の表現にも使われます。居住まいや佇まい、人なら態度などの意味。大きなものとそこに存在する小さなもの、その両方の性質を表現できる、「雰囲気」という言葉。素敵です。 森 ごく最近、雰囲気の不思議を感じました。それは、演奏者として出演していた演奏会本番でのこと。演奏会の雰囲気はいろいろです。楽器を弾いて人と合わせるという嬉しさと、舞台照明の熱さの中、夢中で過ごす空間、それがいつも感じる演奏会の雰囲気でした。
今回は物語を女優に語ってもらい、私たちが演奏する、という、素人にはぜいたくな舞台の上、語りが始まったとたん、舞台と観客席の間に、そして、自分の背中のあたりにも、ピリッと、何かにつねられたような、緊張のすじが走り、会場全体が同じ感動の雰囲気の中に飲み込まれる瞬間を見たような気がしたのです。それは、びっくりして、感動しているのに、少し泣きそうな感じ。そして集中。さすがは大女優!
あー、雰囲気の不思議、来たなー、と思いました。
本番後、そのことを、件の女優に話したところ、「それよ!それ!だからやめられないのよ。」とのこと。 スポットライト

そう、だから、雰囲気作りは大事なのでしょう。クリスマスの雰囲気、正月の雰囲気、祭りの雰囲気、そんな、雰囲気を想像することができ、経験や習慣から共通の歓びとして感じることができる、そんな、豊かな環境を作り、伝えて、いつまでも持ち続けられると良いですね。この歳にして、「雰囲気」の何たるかを少しはつかめたのかも、と思った夜でした。 クリスマス 近付く今年のクリスマスの雰囲気はどうでしょう。きっと例年通り、思い出と共に、家族は元気で、美味しい食事もそろっていて、暖かい部屋で笑いが絶えない時間を過ごすことでしょう。そんな家族の雰囲気。クリスマスの雰囲気。周りのみんな、世界のみんなも同じように、穏やかな時を過ごせますよう、心から祈る初冬の夜です。 ダイニング そろそろ、眠りにつきます。さあて、今年のクリスマスの料理は何にしましょう…、夢の中で考えましょうか。

皆様、今夜もぐっすりお休みください。

染谷雅子

 

 

 

ガラス作家・アロマセラピスト 染谷雅子
ギャラリーはなぶさ https://www.hanabusanipponya.com

作品名:ステンドグラス 「ステンドグラス キャンドルホルダー」 キャンドルホルダー