あけましておめでとうございます。
関東地方は暖かい新年を迎えましたが、二十四節気は寒の入り、小寒(しょうかん1月6日)を迎えています。節分までが「寒」となり、冬の寒さが本格的になる時です。七十二候は、芹乃栄(せりすなわちさかう1月6日~9日)、水泉動(しみずあたたかをふくむ1月10日~14日)、雉始雊(きじはじめてなく1月15日~19日)と続きます。凍える寒さの中でも、水辺ではセリが茂り、温もり始めた大地は凍っていた泉が動き出し清水で潤いはじめる中、雉の求愛の鳴き声を聞く、という寒さの中での確実な春への動き、美しい自然の環を知る候となります。 お正月明けで、社会生活の時間割を元に戻す必要がある方が多いのではないでしょうか。睡眠量と睡眠時間の調整や、飲み過ぎ食べ過ぎの胃腸の調子を整え、また、ゆったりと過ごした精神状態を、社会や家事への少しだけ緊張した段階へ持ってゆかなくてはいけません。まずは睡眠を正しましょう。いつもよりずっと早めに寝てみます。目覚まし時計を使っても良いので、自分の気持ちよく起きられる時間を探り、そこから逆算して、睡眠時間を割り出します。自分にどれほどの睡眠時間が必要なのかがよくわかります。なかなか、続けることは難しいですが、時々、この睡眠時間リセットを生活の中に入れることで、睡眠時間の必要性の再認識になると思います。お正月明けにぴったりの挑戦になりますね。 さて、お正月といえば、「今年こそは…」と、抱負と共に目標を掲げます。食べ過ぎをやめます、飲み過ぎをやめます、今年こそ痩せます…。
はい、私も今年は減量を目指します!そのために、運動の実践も引き続き行い、さらに、食事摂取の工夫を取り入れたいと思っています。
以前は、でんぷん質の摂取を控える、ということを試みましたが、お米が大好きな人にはやはり難しく、長続きしません。そこで、お勧めはお粥です。 日本の行事には「七草粥」(ななくさがゆ)の行事があります。平安時代より続く伝統的な行事で1月7日人日(じんじつ)の節句に行われます。一年の無病息災を願い、また、正月の祝善や酒で弱った消化器官を休めるために食べられます。七草粥として食べられるようになったのは、6世紀頃、中国の年中行事を記した月令にも記録されていますので、その習慣が伝来したものでしょう。 私の七草粥は、春の七草にも入っているセリだけを使った、セリ粥です。
元々セリが大好きなので、この季節旬のセリが多く出回るとセリのお浸し、セリの肉巻、白身魚のセリ蒸し…、などなど毎日のようにセリを使います。あの香り、色の鮮やか、束で触れた時の手触り、そして、その食感、すべてが完璧な春の予感です。海外生活ではセリが手に入らず、同じセリ科の植物、コリアンダー(パクチー)を使いました。セリを細かく刻んで、お米から炊いた炊き立てのお粥にたっぷり混ぜて、大好きな美味しいお塩をひとつまみ、最後に溶き卵を細く流し込み、もう一度蓋をして美味しくなるのを待ちます。そして、美味しいですよー。
お粥にすると、お米の量は減り、実際のでんぷん質摂取は減りますので、満足感もあるし、カロリーも低くなるというわけです。更に、玄米や分づき米を使えば栄養効果も上がります。具だくさん粥にしたり、洋風味付けにしたり、お粥の工夫の幅はとても広くて、楽しみいっぱいです。 セリは日本人の生活と共に長くある植物で、万葉集にも謳われています。その栄養構成はとても優秀で、ビタミン各種、カルシム、鉄、葉酸、カリウムなどをバランスよく含み、生活習慣病の予防効果のある野菜です。セリの名前の由来は、その成長が早く「競る」からきたものだと言われています。そのとおり、成長も早くとても強いので、台所でも重宝します。一束買うと根を残して水につけておけばすぐに新しい芽が育ち、元気に生い茂ります。サラダの飾り、お吸い物やみそ汁の吸い口にも、少量を便利に使えます。ぜひ、台所栽培お試しあれ。 年末年始と家族や古い友達と幸せな時を過ごしました。昔の話、未来の話など、たくさんしゃべり、よく食べ、よく飲み、よく笑い、そして、今、今年もセリ粥です。
世に様々なことがあり、健やかに年の明けを祝えることは、単に幸運で特別なことで、普通のことではなく、いつまでも続くことではないのだと、深く思うお正月。
置かれた場所で、与えられたことを一所懸命こなしてゆこう、などと、皆と話したこの年の初めを思い出しながら、そろそろ眠りにつこうと思います。
皆様も、今夜もぐっすりお休みください。
染谷雅子
ガラス作家・アロマセラピスト 染谷雅子
ギャラリーはなぶさ https://www.hanabusanipponya.com
作品名:「ステンドグラス テーブルランプ」