春の始まりはあんなに暖かかったのに、二十四節気、啓蟄(けいちつ3月5日)を迎えた今頃、冷たい風が上衣をもう一つ手に取らせます。三寒四温は冬の終わりから春先の気候を表現する言葉ですが、まさに、その寒暖差が激しい、季節の変わり目となります。七十二候は、蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく3月5日~9日頃)、桃始笑(ももはじめてさく3月10日~14日頃)、菜虫化蝶(なむしちょうとなる3月15日~19日)と続きます。冬の間地中にいた、蛙や爬虫類たちは春を知り、地上へ出て動き出し、桃の蕾はほころび花が咲き始め、菜っ葉を食べて育った青虫はさなぎの時期を過ごし、蝶となり春の空を舞います。そんな、大地と植物そして、それらを繋ぐ生物たちの営みを表す候となります。

2024.03.07