やっと桜が咲きました。

年々桜の開花が早くなってきていますし、拍車をかけるような、この春の始めの暖かさで、どうしても早い満開に期待が膨らんでいました。菜種梅雨の冷たい雨に濡れる蕾を少し可哀想な気持ちで眺めていましたが、3月29日に開花宣言、それは、七十二候の桜始開(さくらはじめてひらく)の間でした。

二十四節気は、清明(せいめい4月4日)を迎えました。七十二候は、玄鳥至(つばめきたる4月4日~8日頃)、鴻雁北(こうがんかえる4月9日~13日頃)、虹始見(にじはじめてあらわる4月14日~18日頃)と続きます。

何もかも清々しく明るい、万物が春を謳歌するこの時期、冬を南で越えたツバメたちがやって来て、日本で越冬したガンは隊列を組み北へと去ります。鳥たちが飛ぶ空は大気の湿度が上がるため、春の雨の後の虹がかかる日が多くなります。そんな春の空、その中で生きるものたちの様子を表した候となります ガンの隊列 生活環境や社会環境の変化、自分自身の地位や職場の変化など、多くの対応を求められるこの時期、その時々の、小さな緊張の積み重ねは胃腸の働きを劣らせます。胃を健康に保つには、一日の食品摂取量を認識することで、もし、多く摂取する日があれば、週単位で調整して、摂取過剰を忌避することです。また、腸を丈夫にするには、腸内細菌を操ることです。発酵食品のヨーグルトやチーズなどを朝食で適度に取ることは簡単ですが、日本人の体質に合った、醤油、味噌、漬物、糠漬けなどの発酵食品がお勧めです。

また、リラックスするために音楽を聴くことや、春の景色を眺めてのんびりと過ごす時間を作るようにして、体を緩ませてあげましょう。 糠漬け 雨が降っても陽が出ても、どんな空気でも、なにか新しいものを見せてくれるような、そんなキラキラと眩しい生まれたてのこの季節。五感すべてが敏感になり、喜怒哀楽もはっきりと感じられる時です。

そんな春、音楽を聴く時間は極上の時です。クラシック音楽の大作曲家先生たちも春にたくさんの魔法をかけられているようです。春に触発され、春を表現した作品はたくさんあります。皆、名作で私も大好きな曲ばかりです。シューマン「交響曲一番『春』」、メンデルスゾーン「春の歌」、ベートーヴェン「ヴァイオリンソナタ第5番『春』」、グリーグ「春に寄す」、ヨハン・シュトラウス2世「春の声」、ストラヴィンスキー「春の祭典」、シューベルト「春の信仰」、ドビュッシー「交響組曲《春》」、モーツァルト「弦楽四重奏曲 第14番《春》」、ピアソラ「ブエノスアイレスの四季」より「ブエノスアイレスの春」…、などなど。 クラシック音楽 春の歓びと切なさ、春の強さと儚さ、など、さまざまな音楽技術で表現されています。また、ヴィバルディ「弦楽合奏曲四季より『春』」やベートーヴェン「交響曲6番『田園』」など、春の音を実際に楽器にあてはめ演奏されるものもあります。どちらも鳥の声。ヴィバルディ「春」では、一楽章の冒頭、ヴァイオリンの重奏による小鳥たちのさえずりは春の訪れの歓びを高らかに歌い上げ、また、ベートーヴェン「田園」の2楽章では、木管楽器による森の鳥たちの会話のようなさえずりの呼応が聴こえます。

好きな紅茶を前に、そんな春の音楽を聴きながら、過ごす午後。体がゆるゆるとほぐれて、新しい春の空気が自然に身体に沁みこむような気がします。そんなにしょっちゅう、こんな貴重な時が作れるわけではないけれど、忙しい毎日のすき間、掘り出し物のような短い時間でも、素敵な春は手に入ります。 部屋 先日、お邪魔した友達のお宅、庭を拝見していると可愛い訪問者が次から次へと現れます。両端を少し切り落とした殻付き落花生を、針金でリースのように輪でつないだ、落花生リースに続々と小鳥たちが訪れます。メジロ、ヒヨドリ、シジュウカラなど。ウグイスが来ることもあるそうで。贅沢で美しい景色だなと思いました。幸せな春はすぐそばにあるんだな、と。

鶯

さっそく、明日、あの落花生リースを作ってみようかな、そして、小さな春の幸せを手に入れよう、と、思いつつ、そろそろ眠りにつきたいと思います。

皆様も、ぐっすりお休みください。

 

染谷雅子

 

 

 

 

ガラス作家・アロマセラピスト 染谷雅子
ギャラリーはなぶさ https://www.hanabusanipponya.com
作品名:フュージンググラス「春色ペンダント」 染谷雅子のガラス作品「フュージンググラス 春色ペンダント」