いよいよ夏本番。雨の季節もあいまって、蒸し暑い毎日です。早く梅雨が明けないかな…、と思うものの、やはり十分な恵みの雨の時は自然の摂理に必要なもので、干せない洗濯物を横目に過ごす夏の真ん中です。二十四節気は、梅雨明けを前に暑さが増す頃、小暑(しょうしょ7月6日)を迎えようとしています。七十二候は、温風至(あつかぜいたる7月6日~10日)、蓮始開(はすはじめてひらく7月11日~15日)、鷹乃学習(たかすなわちわざをならう7月16日~21日)と続きます。梅雨が明ける頃の明るくなる空に、「白南風(しらはえ)」と名付けられた、南東からの季節風が吹き、池の水面には清らかな蓮の花が開き始め、初夏に羽化した鷹の雛は飛び方を覚え、狩りを学び、巣立ちの準備を始める頃。夏の大気の中で生きる植物や動物達の様子を表す候となります。 蓮の花

夏の太陽のように心身共に元気に、夏の雨にも健やかに佇む植物のように瑞々しく、そんな風に夏を過ごしたいものです。でも、この暑さに慣れて、乗り切るには冷房を利用することは必須となり、外気との大きな温度差に触れることになります。その繰り返しで血管は収縮と拡張を繰り返し、自律神経が乱れやすくなります。また、皮膚や髪などの乾燥も招きます。生きてゆく力として必須である体温調節や新陳代謝を制御する熱は大事なものですが、過剰になると体内で制御できなくなり、落ち着きが無くなったり、興奮しやすくなったり、皮膚や髪が乾燥したり…、などの不調が出やすくなります。スキンケアやヘアケアを大切にして、体のほてりを冷ますような食生活を取り入れて心身に涼しさと潤いを補給してください。 スキンケア

夏を乗り切る食生活はとても大切。ついつい、暑さから逃げて、冷たくて喉越しの良い物を求めてしまいがちです。我が家では特にキュウリとナスに毎日助けを求めています。糠漬けはもちろん、酢の物やみそ汁、煮物、炒め物に至るまで、毎日登場です。最近のお気に入りは、おろしキュウリのスープです。キュウリをすりおろして、おろししょうがと塩こうじで味付けするだけのものですが、和えても、ソースにしても、そのままでも美味しくいただけます。暑い身体もほっと一息、涼を感じるようです。 キュウリ

でも、やっぱり、ちゃんと食べなくちゃ、夏は!

「土用丑の日の鰻」は江戸時代からの風習です。今年の夏土用の間には、丑の日が7月24日と8月5日、2回あります。楽しみですね。
むかしから夏の土用には、滋養をとるために、ウリやウメなど「う」のつく食べ物を食べる習慣があり、その一つがウナギだったという説があります。さらに、現在「土用の鰻」が定着した起源としては、江戸中期、あの平賀源内の発案で、客足の落ちたうなぎ屋に「本日、土用丑の日」と張り紙をしたことで、客が殺到したという話があり、販売コピーの起源としても成功したと言われています。江戸時代の商業が作った旬ともいえるのです。他に、その時代の夏の食べ物としては、冷奴、素麺、キュウリやナスなどの夏野菜、心太(ところてん)、おやつにはスイカやマクワウリなどが好まれたそうです。夏バテ予防として、甘酒や麦茶も飲まれていたそうで、なんだ、これ、今と同じじゃない。変わらぬ日本人の夏の食です。 甘酒

日本人のウナギの食べ方は蒲焼以外の料理はあまり知られていません。他にはせいぜい、ウナギのちらし寿司や押し寿司が思い浮かぶぐらい。でも、日本以外でもウナギ料理は様々で、イギリスではウナギの煮凝りを使ったゼリー寄せ、フランスではシチューのようなウナギのワイン煮込み、ベルギーでもハーブをたくさん使ったウナギのワイン煮込み、アメリカ南部ではアメリカウナギのガンボスープ、スペインでは稚ウナギのアヒージョ、などなど。けっこういろいろな調理法があるものです。ちょっと、想像できないものもありますが…。ベルギーで食べたバターたっぷりのウナギ料理、メキシコのスペイン料理屋で食べた稚ウナギのアヒージョ、いずれもとても美味しく、自分の知っているウナギの味を大きく超えた、世界の広さを感じる味でした。最近、アヒージョは貴重な稚魚の乱獲を防ぐため、本場スペインでもSurimi(魚のすり身)を代用して提供される店が多ようです。 スペイン

さて、ウナギの調理法、関西風と関東風、どちらがお好みですか?関東は武士の世界で切腹を連想させるため背開きで、一度蒸してから焼き上げます。焼き時間が短いため竹串が使われます。関西風は腹開きで蒸さずに金串を使って焼きます。関東風はふんわりと、関西風はパリッとした食感の違いがあります。関東産まれで関東育ちの私は、やはりトロリとした関東風が好きでしたが、最近は関西風もいいな、と思っています。今年の2回ある土用の丑の日、両方食べてみようかしら。

ウナギ

どこのうなぎ屋に行こうかな、なんて、考えながらそろそろ眠りにつこうと思います。

 

皆様、今夜もぐっすりお休みください。

 

染谷雅子

 

 

 

ガラス作家・アロマセラピスト 染谷雅子
ギャラリーはなぶさ https://www.hanabusanipponya.com

作品名:「フュージンググラス 雨粒ペンダント」 染谷雅子のガラス作品「フュージンググラス 雨粒ペンダント」

 

前回記事

パジャマに着替えて…姫様枕

 

暑い夏を上手に乗り切る♪
冷房対策に役立つアイテムはこちらから↓

https://www.pajamaya.com/c/0000000122/0000000122b/0000000942