2022年3月半ば、間もなく還暦を迎えるタイミングで私は大きな決意をすることになりました。浪越学園 日本指圧専門学校への入学です。「指圧の心 母ごころ 押せば命の泉湧く」の浪越徳次郎さんが創立された日本で唯一の指圧に特化した専門学校になります。なぜ、その歳で、そんな道に進もうと決意したのか?その経緯などを少々記したいと思います。
パジャマ屋の転換期 「もの」から「こと」へ
2001年1月にオンラインショップ「パジャマ屋」を楽天市場に出店して以来20年以上、素材と着心地にこだわった、オリジナルパジャマの商品開発に携わって参りました。ありがたいことに、お客様からも高くご評価いただき、地道に愚直に使命感を持ってより良いパジャマづくりに邁進しておりました。
そうして20周年を迎えたころ、コロナ禍を迎え、世の中が、一気に「睡眠」へと意識を向けてきました。寝具業界だけではなく、食品業界や、住宅業界、様々な異業種が「睡眠」をテーマに展開するようになったのです。同時に、パジャマ屋も、いくら良いパジャマを作っても、「ウチのパジャマを着ればよく眠れるよ!」と言えない現実と真剣に向き合っていこうと決め、会社全体で学びを開始しました。質の高い睡眠を得るための要素はパジャマ以外にも多く、食生活や運動等の生活習慣、寝室の睡眠環境、自律神経のバランスが良好に保たれていることなど多岐にわたります。「ストレス緩和 睡眠の質向上」を謳った飲料が大人気であることからもわかるとおり、世の中には睡眠に問題を抱えて困っていらっしゃる方が溢れている!この深刻な社会問題に対して、小さな会社だからこそできることもあるはず!と、スイッチが入ってしまった我々は、「質の高いパジャマをつくる会社」つまり、「物」を提供する会社から一段ステージを上げて、「質の高い睡眠を追求する会社」つまり「事」を提供する会社へ事業拡大を目指すことになりました。
「六十の手習い」チャレンジがスタート
さて、この「眠り」事業では「食」事業とともに中核を担う「サロン」事業を立ち上げることとなりましたが、その分野では全くの素人であることは、大きな課題として我々の前に立ちはだかったのです。きちんとした事業として取り組むからには、正しい知識と情報を備えることは不可欠!ましてや、「身体の仕組み」に関わることを事業として営むからにはそれに必要な資格も取得することが必要です。
いろいろ調べていくと「あん摩マッサージ指圧師」という「厚生労働大臣免許」つまり、国家資格が存在すること、そしてその国家試験を受けるには厚生労働大臣の認定を受けている学校で3年間学び卒業資格を得た上で国家試験に合格しなくてはならないことがわかりました。従業員にそのような過酷な任務を課すことはできない!つまりは私自身がその任に当たるしかない!と決意を固め、入学に至った次第であります。
これを機に私の「六十の手習い」のチャレンジがスタートすることになりました。夕方までは仕事をこなし、その後は夜間部の授業に通う日々、流行りの言い方をすれば「二刀流」でカッコイイ感じがするかも知れませんが、会社の将来を担う重いミッション、3年という長い時間とまあまあの費用を費やしてのチャレンジとなるので途中挫折や国家資格取得失敗は許されません。ただ、プレッシャーを感じながらも60過ぎにも関わらず新しいことにチャレンジできる環境と社内の協力に感謝しながら日々充実した生活を愉しんでおります。このブログではその新たなチャレンジについて、そして睡眠のこと、指圧のことなどについて脱線を交えながら記していこうと思っております。それではまた。