樹々は色づき、山茶花が咲き始め、乾燥したピーンとした空気はすっかり冬。街を見渡せば、クリスマスの色と音にあふれ、傍らには正月飾り、と、なんとなく慌ただしいこの頃です。二十四節気は、小雪(しょうせつ11月22日)を迎えます。七十二候は、虹蔵不見(にじかくれてみえず11月22日~26日頃)、朔風払葉(きたかぜこのはをはらう11月27日~12月1日頃)、橘始黄(たちばなはじめてきばむ12月2日~6日頃)と続きます。地域によっては雪が降り始める頃となり、冬は一歩すすみ、太陽は低くなり、雨上がりの虹も見る機会が少なくなります。風は冷たい北風に変わり、木々の葉を舞い落し、散り積もる落ち葉の山を崩しては作り冬の風情を醸しだす中、常緑樹の橘(たちばな)には黄金に色づく実が冬景色に彩りを添えます。そんな、寒さ厳しい様子の中にも、確実に進む自然の営みを見つけ出せる候となります。
暖かい日と、寒さ厳しい日を繰り返し、冬が深くなります。一日の中でも、昼間と朝夕では温度差が大きくなります。体は寒さに対応しようとして体温を調節するため、体内熱量を大量に消費するので、自律神経の均衡を崩さないよう、しっかり休みをとりましょう。忙しい日々の中、ゆったりする日を作るのは大変なことかもしれませんが、一日の中で、短い時間でも良いので、仕事から離れてホッとする時間を作りましょう。また、質の良い充分な睡眠は疲労回復に最も効果的です。しっかりと睡眠時間を確保して、お好みの寝巻、寝具で眠る時間も楽しみましょう。これからの寒さに向け、体力の温存は体だけではなく心にも影響する大切なことなので、体の声に耳を傾けてみてください。
真冬に向けて木枯らしの日や冷たい雨の日もあるこの時期ですが、お天気良く風の穏やかな午後、小春日和のひと時には、本当に幸せを思います。つい、いろいろなことに感謝してしまうのです。誰に何を?これと言って、常に決まった神様に祈りをささげる習慣はないのですが、何か大きな自然の規則が、私を、今この瞬間にここに生かして、この景色を見せてくれいる偶然…とか。人によって「感謝します」と伝える相手は、それが仏様だったり、日本神話の神様だったり、キリストだったりするのでしょう。寒い冬の籠りを破り、春の萌を喜び迎え、夏の猛りを耐え過ごし、実りの秋を謳歌する、あえて言うなら、そんな巡りの差配役に心から感謝なのです。きっと。
今年の秋、初めて伊勢神宮へ詣でました。一度は行きたいと思っていた伊勢神宮です。今回お参りに行くことになり、改めて、お伊勢参りの巡り方を調べてみると、なんとその敷地の広さや、お社の多さに改めて驚くことしきり。二日をかけて外宮と上宮とそれらの周りのお社をお参りしました。なかなか来られないお伊勢参りですもの、そのお社の崇高さと、囲む森の深さ、樹々の清々しさ、浄められた空気の密度の高さ、そのすべてに身を浸したくなり、時間を忘れるような空間の隅々まで目にとどめようと思いました。
そして、神恩感謝のご祈祷とお神楽を納めてまいりました。神殿に導かれ、神官に祝詞をあげていただき、そのあと、和琴、笛、篳篥(ひちりき)、笏拍子(しゃくびょうし)によって演奏される優雅な雅楽の調べで、緋色の長袴(ながばかま)の舞女たちによる倭舞が始まります。 感動しました。 きっと、その音。音が響き震わす清らかな空気の波や衣擦れの音など、音が包む非日常的な空間で、千年の歴史を紡ぐ祈りの舞が目の前で繰り広げられているという事実と、今日私がそこにいるという奇跡。素直に感謝しました。 神様に感謝やお願いをして、その気持ちを形にして納めるという人の行為は世界の様々な宗教に存在するもので、オーケストラで演奏される、レクイエムやカンタータ、ミサ曲なども同じです。その優雅な神楽の場にいながら、そんな世界共通の宗教を超えた、人の思いや願いの尊さと、平和と安寧を祈る気持ちの率直さを改めて思いました。
感謝祭や勤労感謝の日、まずは、身近な小さなことに感謝しよう、っと。
大格闘の末、焼き上げた七面鳥とクランベリージャムの味を思い出します。と、アメリカにいた頃、友達と過ごしたサンクスギビングの夜を思い出しながら、今夜は眠りにつきます。
皆様、今夜もぐっすりお休みください。
染谷雅子
ガラス作家・アロマセラピスト
染谷雅子 ギャラリーはなぶさ https://www.hanabusanipponya.com
作品名:「ステンドグラス 天使のサンキャッチャー」